2012年7月1日日曜日

内なる虎

ここ数日、自己練習や勉強のために幾つかの集中クラスに参加していました。



まずは以前、こちらのブログでもご紹介したノア・マゼ先生。



ノア先生は現在、東京で開催している集中講座を指導中。エネルギッシュでユーモアに溢れた、とても親しみやすい先生です。



先生のモーニングプラクティスは、いつも数名しか予約が取れません。
というのも、集中講座に参加されているメンバーだけでクラスは ほぼ満員状態
(^_^;)
マットを拡げるスペースが無くなってしまうので、いつも2〜3人分しか空きが出ないのです。



前回は都合がつかず一日のみでしたが、今回はラッキーな事に、二日間に渡って参加出来る運びとなりました。


彼は毎回ユニークな切り口で、身体の使い方、アサナへの取り組み方を教えてくれます。



月並みですが・・・本当に、あっという間の二日間でした!



さて一日目は呼吸法の練習。インド神話のドゥルガーという女神様のお話から始まりました。



神様の話といっても、宗教的なものではなく 練習への理解を深めるための、いわばインスピレーションのようなものです。



面白いお話だったので、ちょっとご紹介させていただきますね。



元々ドゥルガーは、シヴァ神の妻であるパールバティが変身した姿(化身)だと云われています。



パールバティは優しさと美貌を兼ね備えた「母性の象徴」として、インドでは大変 愛されている人気の神様です。


しかし女性には様々な側面があるように・・・彼女は色々な神の姿に変身します。


最初はドゥルガー。
強力な悪魔を倒すために出現した、とても強い化身です。
手には様々な武器を携え、一匹の虎に跨がっています。


ちなみに虎は危険さや獰猛さ、自然の野性味や一匹狼的な自由さ、孤独の象徴でもあります。


大変強い化身ですが、悪魔はそんな彼女に立ち向かうため 無数に増殖します。


そこで登場するのが、カーリー!ドゥルガーの顔から生まれたという化身です。大変恐ろしい風貌をしています。。


彼女は 増殖した悪魔達を残らず退治し、勢い余って世界まで滅ぼしかけてしまい、夫であるシヴァ神に止められるという・・・もはや敵なしの神様です(笑)


ドゥルガーの話に戻りましょう。
この女神が象徴するのは、虎に見立てた身体という乗り物をいかに乗りこなすか、現実世界という荒波にどの様に挑むのか、といった普遍のテーマです。


そもそも人間は宇宙や地球が変化していく中で生まれた、自然の一部。


そして自然の中には、危険や獰猛さが常に存在しています。


例えば、嵐がやって来るとします。私達はそれぞれ、身を守る方法を考えます。その嵐を止める方法を考えられますか?


自然の破壊力には抗えないものがあります。しかし、この宇宙で、地球で暮らしていく以上、私達には自然と共存する道しかありません。


そして私達の心や身体というのは、内側に自然のエネルギーを内包しています。


それは意思だけではコントロール出来ないものです。
まるで一匹の虎のように・・・自然同様、この虎を、飼い馴らす事は出来ません。扱い方を間違えれば、自らを滅ぼしかねない獰猛さをはらんでいます。




ではどの様にして、共存して行けば良いのでしょう。。


生命のエネルギーは呼吸と共に脈動しています。心と身体。二つの存在を繋いでいるのは呼吸。



呼吸を整えると、心が落ち着き、自分を客観的に見る事が出来ます。内なる虎を、観察するのです。



大きなストレスやプレッシャーに押しつぶされそうな時。怒りや悲しみで、我を忘れてしまいそうな時も。



呼吸が乱れてくると、心や身体が緊張し、思考が支離滅裂になります。



そして悲観的になって自分自身を傷付けようとしたり、無理に押さえ付けると病気になる可能性もあります。



呼吸こそが、生命という自然と私達を繋ぐ重要なライフラインなのです!



しかし単に呼吸の練習(プラナーヤーマ)ていっても、健康に役立つものから心の動きを整えるものなど多数あります。



間違った呼吸方法をしていれば、すぐ違和感に気がつくでしょう。



奥が深く 難しいけれど、ヨガを実践していく上で最も大切な要素のひとつですから、やはり上手に取り入れたいですよね。



自然とは、時に素晴らしいけれど、同時にとても怖いもの。練習前の内なる虎の話は、その事に触れていたんですね。



時々、このインド神話を思い出しながら、呼吸の練習を続けようと思います

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